LL紙パックリサイクル推進研究会

平成28年度 施設見学会

1.施設見学会について

当研究会では、毎年、LL紙パック(アルミ付き紙パック)をはじめとしたリサイクル関連施設への見学会を実施しています。平成28年度は9月28日(水)に実施し、会員企業をはじめとする44名が参加しました。午前は山梨県北杜市の国土興産株式会社高根工場を、午後は静岡県富士市のコアレックス信栄株式会社本社工場を見学しました。

 

2.見学した施設

2.1 国土興産株式会社(高根工場)

国土興産は、一般及び産業廃棄物の収集運搬及び中間処理を行う企業です。今回訪れた高根工場のほか、同じ北杜市内に総合リサイクルセンター・コクドがあります。こちらで処理しているものには以下のものがあります。

・「アルミ缶」「スチール缶」を種類別にプレス(製鉄所などで棒鋼等の材料として活用)。

・「古紙」を新聞、雑誌、段ボール、その他の紙に選別、プレス梱包(製紙会社で再生紙等にリサイクル)。

・「ガラスびん」をリターナルびんとそうでないものに分け、リターナブルびん以外はさらに手選別で無色、茶、その他の3種類に分類(リサイクル業者に引き渡し)。

・「PETボトル」はキャップやラベルが付いている場合はこれらを外した後で圧縮や破砕(フリースや卵パックなどにリサイクル)。

当研究会の施設見学会では、紙のリサイクルに関する施設を訪れる機会が多いため、今回は紙以外のものを中心にお話を伺いました。

高根工場では、様々な工場から排出される廃プラスチックを破砕し、加工しやすいように数mm程度のペレットと呼ばれる粒状のものにすることを中心に稼働しています。周辺には民家があるため、操業時間は朝8時から夕方6時30分~7時頃までとしています。

ペレットの原料となるものには様々なものがあります。商品を梱包するシュリンクフィルムや輸送時に使用するラップ材などの包装材は油汚れやジュースなどの残渣がほとんどなく、最もよい素材の一つです。主に住宅メーカーで建材の原材料として活用されています。商品の輸送に用いるパレットのうち、複合素材でできたものをリサイクルすることはできませんが、単一素材で製造されたものの用途は多く、最も需要のあるリサイクル材のひとつです。加工して緩衝材の「プチプチ」やパネルボードなどにもなります。

収集したもののなかに異物が含まれている場合は、これらを取り除く必要があります。例えば、工場内で使用されているリールに粘着テープが残っている場合があり、これを剥がした上でリサイクルしています。また、複数の素材が混じってしまうとリサイクルできない場合は、これらを分別し単一素材としてリサイクルできるようにする必要があります。例えば、PPバンドにはPET材でできているものとPP材でできているものがあり、これらを混ぜてしまうとリサイクルすることができません。そのため、両者を見分けて選別しています。ファストフード店でナゲットなどに使用するソースの包装材(アルミが使用されています)については、福祉作業所でアルミを剥離し、アルミは他県の精錬所で再生アルミの原料として使用されています。

これまで多くの廃プラスチックのリサイクルに取り組んできましたが、はじめは「リサイクルは難しいのではないか」と思うようなものでも、様々な企業と連携することでリサイクルを実現し、リサイクルの輪が広がっていきました。こうした廃プラスチック等を用いたリサイクル材は、バージン材から作るものよりも価格が割高ですが、環境に対する意識やCSRの観点からリサイクル材を購入するメーカーが多いとのお話でした。

 

様々な材料を前にお話を伺いました

様々な材料を前にお話を伺いました

高根工場で処理された再生品の数々

高根工場で処理された再生品の数々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合写真(国土興産)

集合写真(国土興産)

工場内を見学

工場内を見学

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.2 コアレックス信栄株式会社(本社工場)

コアレックス信栄は、紙パックをはじめとする古紙からトイレットペーパーやティッシュペーパーを製造するメーカーです。同社を含めたコアレックスグループには、製紙工場であるコアレックス道栄、製紙関連設備メーカーであるコアレックス三栄、家庭紙製品販売会社であるコアレックスなどがあります。

コアレックス信栄はグループの強みを活かし、コアレックス三栄(旧:三栄レギュレーター)と再生紙技術の研究を重ね、古紙等からフィルムやインクなどを効率良く除去することができる高度な設備を開発しました。これによりアルミなしの紙パックだけでなく、アルミ付きの紙パックのリサイクルをすることができます。

今回訪れたのは、2015年7月に稼働を開始した新工場(本社工場)です。周辺の住宅に騒音などの影響が出ないよう、工場の建物をなるべく敷地の中心に集めるようにしています。また、周辺から富士山が見えることもあり、外壁をモスグリーン色にするなど景観にも配慮している点などが新工場の特徴の一つです。

同社では全ての紙を資源と考えており、あらゆるものを受け入れてリサイクルしています。受け入れた紙をふやかして紙とそれ以外のものに分離する技術があるので、アルミ付き紙パックのほか、磁気テープを使用した鉄道や航空機のチケット、カーボン紙を使用した宅配便の伝票、圧着式のはがきなども原料として利用しています。また、遠心力を使って重量物を取り除く設備があるため、クリップが付いたままのオフィス古紙などもリサイクルすることができます。

アルミ付き紙パックからアルミやポリエチレンを取り除いた後はインクを除去し、トイレットペーパーやティッシュペーパーにリサイクルされ、スーパーマーケットなどで販売されています。紙芯のないトイレットペーパーを中心に製造されていますが、色や香り、エンボス加工などを施した紙芯のあるタイプのものも製造しています。

紙パックから剥離されたポリエチレンなどのプラスチック類は主にボイラーで熱回収するほか、ペーパースラッジは道路の路盤材の原料としても利用されます。オフィス古紙から取り除かれたクリップは鉄くずとしてリサイクルしています。トイレットペーパーにリサイクルする際に使用する水は、独自の浄化システムできれいにしてから川に戻しています。このように、工程から出る全ての廃棄物を再利用するゼロエミッション工場となっています。

 

集められた使用済み紙パック

集められた使用済み紙パック

古紙のストックヤードを見学

古紙のストックヤードを見学

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合写真

集合写真(コアレックス信栄)

トイレットペーパーのジャンボロール

トイレットペーパーのジャンボロール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.施設見学会を終えて

午前に訪れた国土興産高根工場では廃プラスチック類を中心にリサイクルを行っていました。リサイクルするためには異物を取り除いたり、材料ごとに分別したりすることに多くの手間がかかっています。リサイクル品の原材料となっている廃プラスチック類の中には会員各社の工場から排出されるものも少なくありません。アルミ付き紙パックそのもの以外でもリサイクルの環が広がっていることを改めて感じました。また、はじめは難しいと思われていたものについても様々な企業と連携することでリサイクルを可能にしてきたお話を伺い、アルミ付き紙パックについても、現時点ではリサイクルが困難なところでもいずれそれが可能になるのではないかという思いを抱きました。

午後に訪問したコアレックス信栄本社工場は最新鋭の設備を備えた新工場です。アルミ付き紙パックはもちろんのこと、金具が付いたままのオフィス文書も受け入れ、分別し、トイレットペーパーにリサイクルするだけでなく、紙パックから剥離したポリエチレンを熱回収やマテリアルリサイクルし、ゼロエミッションで操業している先進的で素晴らしい工場だと感じました。まだ数は多くはないものの、スーパーマーケットや生協、自治体の中でもアルミ付き紙パックを回収しているところが増えてきています。同社のようなアルミ付き紙パックのリサイクルが可能な工場の輪が広がり、事業者や自治体が回収を進められる環境が整うことを期待したいと思います。

LL紙パックがリサイクル可能であることをより多くの方々に知っていただくとともに、リサイクルへの取り組みが今後ますます活発になっていくことを願って、当研究会では引き続き情報発信に努めて参ります。

 

 

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