LL紙パックリサイクル推進研究会

回収・リサイクル事例 御船町(熊本県)

LL紙パックリサイクル推進研究会では、アルミ付紙パックの回収・リサイクル事例を紹介しています。当研究会会員の方は、このレポートの詳細を会員専用ページでご覧いただくことができます(閲覧にはIDとパスワードが必要です)。

1.  御船町の概要
御船町は熊本市に隣接する人口17,203人(2023年10月現在)の町です。「御船(みふね)」の名前の由来は、景行天皇の九州平定の際の「御船(おんふね)」が着岸したことによると伝えられています。江戸後期から昭和初期にかけては県下第一を誇る「酒造りの町」で、御船川沿いには「白壁の酒蔵」が立ち並んでいました。1979年8月に日本で初となる肉食恐竜の歯の化石が見つかったのを皮切りに、1990年には恐竜化石がまとまって見つかり化石発掘調査が本格的にスタートするなど、恐竜の郷としても知られています。
2016年4月に発生した熊本地震では大きな被害がありましたが、2017年3月に「御船町震災復興計画」を策定し、①被災者の生活再建、②地域コミュニティの再生、③災害に強いまちづくり、④公共施設の復旧、⑤産業の発展の5つの分野で取り組みを進めています。

2.  環境に関する取り組み全般
2.1.  総合計画におけるごみ減量化・リサイクル推進の位置づけ
令和5年度の総合計画実施計画では、基本目標「住み続けたい御船町」の施策の方向として「ごみ処理対策の推進」を掲げ、施策の展開として「ごみの分別方法の周知等を充実し、ごみの減量化とリサイクルを推進します」としています。より具体的には、廃棄物減量等推進員として御船町リサイクル推進員(以下「推進員」といいます。)を設置し、地域の資源回収活動を推進するとともに、廃棄物の発生抑制、再利用の促進を図ることなどを掲げています。

2.2.  家庭ごみの収集全般
御船町では、「区域の決められた収集場に出すもの」、「リサイクルステーションに出すもの」の2つの排出方法があり、このうち紙パックは後者の方法で回収されています。リサイクルステーションは町内に108か所あり、各リサイクルステーションにはごみ出しの指導に当たっている推進員がいます。リサイクルステーションへの排出では、毎月1回、決められた日曜日の午前8時から午前9時までの1時間の間に出さなければならないため、近隣市町と比較して利便性が低いとの指摘を住民から受けることがあります。この時間帯に出せない場合は、町内の処理施設(組合施設)へ直接搬入することができますが、手数料が発生します。

(令和5年度 家庭ごみ収集・リサイクルカレンダーより抜粋)

 

 

 

 

3.  紙パックの回収・リサイクルについて
3.1.  紙パック回収の開始
アルミなし紙パック(以下「アルミなし」という。)の回収は、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容リ法)の完全施行に伴い、2000年度に開始しました。
アルミ付の回収は、2021年度に開始しました。RPF(固形燃料)製造事業者から御船町甲佐町衛生施設組合(以下「衛生施設組合」という。)に対して働きかけがあったことがきっかけです。

3.2.  回収する紙パックの制限など
アルミなし、アルミ付とも、200ml以上のものを回収の対象としています。200ml未満の紙パックでは紙の繊維が短くなり、紙として再生しにくくなるからです。リサイクルステーションの当番員等の協力もあり、「200ml以上」のルールは守られています。「プラスチックの注ぎ口は必ず切り取ってから出してください」と案内をしており、こちらについても当番員の協力によりルールが徹底されています。

3.3.  回収した紙パックのリサイクル
回収された紙パックのうちアルミなしは製紙メーカーでトイレットペーパーやティシュペーパーにリサイクルされ、小売店で販売されています。アルミ付はRPFにリサイクルされ、製紙メーカーのボイラー燃料として再利用されています。
住民に示されている「家庭ごみ収集・リサイクルカレンダー」では、アルミなしとアルミ付を分けることについて特に記載はありません。アルミなしとアルミ付は別々にリサイクルされるので、回収時にリサイクル推進員が立ち会い、分別を指導しています。それでもアルミなしとアルミ付が混在している場合は、衛生施設組合において手作業で選別しています。

4.  今後の課題や懸念事項
リサイクルステーションにはごみ出し指導を行う当番員がいますが、収集場には当番員がいません。そのため、資源物回収を現在のリサイクルステーションから、いわゆるステーション(収集場)回収に変更すると、ごみ出し方法を複雑化することが難しくなることが想定されます。収集後に衛生施設組合などで手選別等を行う方法もありますが、人員確保の観点から対応には限界があります。今後、リサイクル関連事業者または民間との連携・協力も含めて検討する必要があります。

●取材日時:2024年3月
●取材先 :御船町環境保全課環境衛生係、御船町甲佐町衛生施設組合御船甲佐クリーンセンター
URL https://www.town.mifune.kumamoto.jp/

※ アルミ付紙パックはリサイクルすることが可能で、実際にトイレットペーパーなどに生まれ変わっています。消費者の皆様がご家庭で使用したアルミ付紙パックの一部も回収・リサイクルされています。下記サイトではアルミ付紙容器の回収拠点の検索ができます。アルミ付紙パックの回収・リサイクルにご協力くだされば幸いです。
アルミ付き紙容器の回収拠点検索(外部サイトに移動します)
https://www.bellmark-schoolmilk.jp/alupa/recycle/search.html

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