資源・エネルギーの有効利用を図り、循環型社会の形成に寄与することを目的に活動しています

LL紙パックリサイクル推進研究会は、LL紙パックの回収・リサイクルを推進するため、様々な活動を展開しています。当研究会の名称にある「LL紙パック」とは「ロングライフ（Long Life）紙パック」の略称で、常温でも長期保存が可能であることを意味しています。内面にアルミを使用していることから、アルミ付紙パックという呼び方もされています。ジュースやお茶、豆乳等、ふだんスーパーマーケットやコンビニエンスストア等で見かけたり、オフィス等でお飲みになられたりしている紙パック飲料の中には、こうしたアルミ付のものが多くあります。

アルミ付紙パックは、内面のアルミ層の働きにより光や酸素による中身の劣化を防ぐことができるため常温での長期保存が可能です。冷蔵に必要なエネルギーを節約することができるだけでなく、賞味期限切れによる食品廃棄物の削減につなげることも可能となります。また、主な原材料である紙は再生可能で持続可能な資源であり、内面が白い紙パックと同様に良質なパルプからつくられていますので、トイレットペーパーやティシュペーパー等にリサイクルが可能です。実際に、アルミ付紙パックを原材料の一部として製造されたトイレットペーパー等が小売店等で販売されています。

しかしながら、アルミ付紙パックの回収・リサイクルが必ずしも普及していないのも事実です。アルミを使用していることから、再生紙メーカーで技術的に処理できなかったり、自治体の多くで資源としてではなく燃えるごみとして処理されたりしている現状があります。こうした状況を受け、アルミ付紙パックの回収・リサイクルについての理解を深め、資源循環の在り方について研究するため、当研究会は発足しました。2007年に紙パックメーカーが中心となり印刷工業会の液体カートン部会の中で誕生した後、飲料メーカーや古紙リサイクル関係各社がこれに加わり現在のかたちになりました。

再生紙メーカーの技術の発展や関係者の皆様のご協力により、自治体で資源回収されるようになったところもありますし、スーパーマーケットや生活協同組合等で回収に取り組んでいただいているところもあり、徐々に回収・リサイクルが可能になってきています。

当研究会はこれまで、アルミ付紙パックのマテリアルフローの作成、回収・リサイクルに関する情報共有化勉強会の開催、回収・リサイクル現場の見学、更には聞き取り調査に基づく事例集作成等の活動を通じてアルミ付紙パックの回収・リサイクル普及啓発に努めて参りました。

当研究会の活動の活性化を図るため、アルミ付紙パックに関わる事業者の皆様やアルミ付紙パックをご愛用いただいている皆様からのご意見をお待ち申し上げております。今後もアルミ付紙パックの回収・リサイクル向上に取り組んで参りますので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

座長　別所 孝彦（キリンホールディングス株式会社）