LL紙パックリサイクル推進研究会

回収・リサイクル事例 【会員企業】日本テトラパック(東京都)

LL紙パックリサイクル推進研究会では、アルミ付き紙パックの回収・リサイクル事例を紹介しております。このレポートの詳細版は、会員専用ページでご覧いただくことができます(閲覧にはIDとパスワードが必要となります)。

 

1.  日本テトラパック株式会社の概要
日本テトラパック株式会社は、世界160か国以上で展開する食品加工処理と紙容器充填包装システムの世界的なリーディング・カンパニーの日本法人で、1962年10月に設立されました。多くの飲料・食品メーカー等に同社の食品加工処理機器、充填機、紙パックが納入されており、スーパーマーケットやコンビニ、生協で目にする紙パック入り飲料や食品の多くで、同社が製造する紙パックが採用されています。

 

2.  テトラパックのサステナビリティ
テトラパックのサステナビリティへの取り組みは、バリューチェーン全体を対象にしています。テトラパックブランドの約束である「大切なものを包んでいます™」の下、食品を守る、人々を守る、そして地球を守るための、さまざまな取り組みを進めています。
テトラパックは、2030 年までに自社事業での温室効果ガス排出量を実質ゼロに、そして2050 年までにバリューチェーン全体での排出量を実質ゼロにするという目標を掲げ、原材料調達、包材加工、食品加工処理機器・充填機の使用、使用済み紙パックのリサイクルなど、バリューチェーンの各所において、関係者と連携・協力し、活動を推進しています。この記事では回収・リサイクル活動のなかの、主に従業員の取り組みを中心に説明します。

 

3.  使用済み紙パックの回収・リサイクルについて

社内に設置された回収ボックス

社内に設置された回収ボックス

3.1.  アルミ付紙パック製品の回収
(1) 回収の概要
日本テトラパック社内では、1)ごみ箱と並んで紙容器を回収する専用ボックスが設置され、従業員だけでなく来訪者が飲用した後の紙パックもその専用ボックスで回収し、製紙メーカーへ納入してリサイクルする取り組みが以前から行われていました。2)2018年以降は、回収した紙パックの一部を同社が協賛するベルマーク運動を通じてベルマーク財団に寄贈しています(後述)。また、3)従業員が家庭で使用したアルミ付紙パックの回収も以前より継続して行っています。
こうした社内での紙パック回収活動は、環境問題に対する従業員の意識啓発であるのと同時に、自宅の近所にアルミ付紙パック回収拠点がない従業員にとっての回収拠点の役割を果たしています。新型コロナ感染症拡大防止の観点から在宅勤務が増加し、社内のベルマーク運動は休止していますが、社内専用ボックスから回収された紙パックのリサイクルは通常通り継続しています。

 

(2) 回収された紙パックの行方
ベルマーク運動または社内専用ボックスで回収された紙パックは、いずれの場合も製紙メーカーに納入され、トイレットペーパーなどの家庭紙の原材料の一部として利用されています。それら家庭紙の一部は商品としてスーパーなどの一般の小売店で販売されたり、駅やオフィスビルなどの業務用として利用されたりしています。日本テトラパック社内で利用されているトイレットペーパーも、このようにしてリサイクルによってできた再生品です。

 

ベルマーク専用回収箱の写真

ベルマーク専用回収箱の写真

3.2.  社員が回収した紙パックのベルマークへの寄贈
(1) きっかけ
2018年にベルマーク運動の一環として、PTAを対象としてアルミ付紙パックを重点的に回収するキャンペーンを実施した際、従業員も積極的に参加しようということで、社内で飲んだ後のアルミ付紙パックを容易に開いて洗って乾かせるような仕組みを作りました。同キャンペーンは期間限定のものですが、従業員は通年で回収に取り組んでいます。コロナ禍で在宅勤務が増えているため、取材を行った2021年度は、本社ではこの取り組みを休止していますが、御殿場工場では引き続きアルミ付紙パックの回収を継続して実施しています。

 

開いて洗って乾かしたアルミ付紙パックと カッター(赤い三角形のもの)

開いて洗って乾かしたアルミ付紙パックと
カッター(赤い三角形のもの)

(2)開いて洗って乾かして
社内のベルマーク運動向けに回収する紙パックは、従業員が開いて洗って乾かしています。社内給湯室に紙パックを切り開くためのカッターと水切りかごが設置されていて、従業員は各自飲み終わった紙パックを切り開いて洗い、水切りかごに置いておきます。翌日にはそれらの紙パックは乾いています。

 

(3) アルミ付紙パックの回収と寄贈
テトラパックのベルマーク運動の専用回収箱は10kg入りで、その箱がいっぱいになった段階で回収センターに送付しています。日本テトラパックで回収した紙パックの重量に応じて被災地校やへき地校にベルマークの点数が寄付され、その点数を受け取った学校がそれを使用して必要な備品等を購入する仕組みです。
給湯室の壁に「開いて洗って乾かして」についての方法が掲示されているほか、回収された紙パックがどのようにベルマークに活用されているかの説明も書かれています。また、ベルマーク財団に寄贈したタイミングで、回収活動への協力の感謝や、継続協力の依頼メールを従業員に送っています。このようにしてアルミ付紙パックの回収・リサイクルについて、社内での情報共有が行われています。

 

ベルマークを切り取って送るのではなく、テトラパックマークの付いた「紙パックそのもの」を送るのが特徴

ベルマークを切り取って送るのではなく、テトラパックマークの付いた「紙パックそのもの」を送るのが特徴

3.3.  日本テトラパックのベルマーク運動
(1) 日本テトラパックのベルマーク運動の特徴
日本テトラパックは、2011年からベルマーク運動に協賛しています。通常のベルマークとは異なり、同社の紙パックにはベルマークがついているわけではありません。テトラパックのマークが付いた「紙パックそのもの」を回収センターに送るのが同社のベルマーク運動の特徴です。回収された紙パックの重量に応じたベルマーク点数が付与され、たまった点数に応じて学校の備品等を購入できます。同社のベルマーク運動は、環境活動と社会貢献を同時に行うことができる仕組みです。学校給食の牛乳パックだけでなく、家庭で飲用した豆乳やジュース、お茶などが入っていた同社のアルミ付き紙パックも学校で回収しています。
回収センターに送るにあたっては、飲み終わった後の紙パックを開いて洗って乾かす必要がありますが、その方法については、「注ぎ口の取り扱い方」も含めてウェブサイトに掲載されているほか、PTA役員用リーフレットや家庭配布用チラシなどにも記載されています。
テトラパックのベルマーク運動  URL: http://www.eco-kami.jp/bellmark/

 

(2) 回収した紙パックの行き先
回収された紙パックは製紙メーカーに納入され、紙パックに使用されている紙の部分は家庭紙の原料として、ポリエチレンやアルミは家庭紙にリサイクルする際に必要な熱エネルギー源として有効活用されています。リサイクルによって作られたトイレットペーパーは、前述したアルミ付回収キャンペーンの際、キャンペーンへ参加した各学校に対して参加賞として提供しました。

 

工場でベルマークの専用回収箱に紙パックを詰めている様子

工場でベルマークの専用回収箱に紙パックを詰めている様子

3.4.  工場での主な取り組み
(1)従業員による取り組み
御殿場工場でも、前述した本社での取り組みと同様に、家庭から持ってきたアルミ付き紙パックや事務所内で飲用した後のアルミ付き紙パックを回収し、ベルマークに寄贈しています。

 

(2)工場見学者等への説明等
御殿場テトラパックでは工場見学を実施しています(2022年3月現在、コロナ禍のため中止)。工場見学者には紙パックの製造工程を見てもらうだけではなく、中身飲料を飲んだ後の紙パックがどのようにリサイクルされているのかについても説明しています。また、主に小学生を対象に、紙パックを原料として使用した再生品を工場見学の記念に提供しています。

 

アルミ付紙容器回収拠点検索サイト

アルミ付紙容器回収拠点検索サイト

3.5.  アルミ付紙容器回収拠点検索サイト
(1) 検索サイトの概要
日本テトラパックでは、アルミ付紙パックを回収しているスーパーや生協等を検索できるウェブサイトを運営しています。アルミ付紙パックを回収しているところをお知らせするために、同ウェブサイトを立ち上げました。同サイトには日本地図が掲載されており、都道府県名をクリックすると、当該都道府県内でアルミ付紙パックを回収しているスーパーや生協のリストを見ることができます。回収している小売店がない府県については、「その他のリサイクル参加方法」として日本テトラパックのベルマーク運動がリストに掲載されています。
検索サイトのURL: http://www.eco-kami.jp/alupa/recycle/search.html

 

(2) 検索サイトの情報更新など
検索サイトに掲載されているのは、原則として全店舗でアルミ付紙パックを回収していて、かつ当該小売店が掲載の了承をしたところです。したがって、同サイトに掲載されていない小売店であっても、アルミ付紙パックを回収しているケースもあります。更新頻度は決まっていませんが、掲載可能な条件が整った段階で更新しています。より多くの人に活用していただき、アルミ付紙パックの回収に協力していただけると幸いです。

 

4.  回収・リサイクルの現状と今後の課題
アルミ付紙パックの回収率を向上させるためには、アルミ付紙パックもリサイクルできることを多くの消費者に知っていただき、アルミ付の回収拠点を増やすことが重要です。それと同時に、アルミ付紙パックをリサイクルできる製紙メーカーを増やすこと、そしてそこへ納入する回収業者を含めたリサイクルチェーンの構築が課題です。市区町村での回収拡大も含めて、業界としてこの問題に取り組んでいきたいと考えています。

 

※記事の内容は取材当時のものです。現時点での取り組み内容等と異なる場合があります。

 

●取材日時:2022年3月16日(木)
●取材先 :日本テトラパック株式会社 サステナビリティ部
URL https://www.tetrapak.com/jp

※ アルミ付き紙パックはリサイクルすることが可能で、実際にトイレットペーパーなどに生まれ変わっています。消費者の皆様がご家庭で使用したアルミ付き紙パックの一部も回収・リサイクルされています。アルミ付き紙パックをどこで回収しているのかをお知りになりたい方は、下記サイトをご参照ください。
アルミ付き紙容器の回収拠点検索(外部サイトに移動します)
http://www.eco-kami.jp/alupa/recycle/search.html

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