回収・リサイクル事例 NPO法人リサイクルロンドぎふ
LL紙パックリサイクル推進研究会では、アルミ付き紙パックの回収・リサイクル事例を紹介しております。このレポートの詳細版は、会員専用ページでご覧いただくことができます(閲覧にはIDとパスワードが必要となります)。
1. リサイクルロンドぎふの概要
特定非営利活動法人リサイクルロンドぎふは、地域のあらゆるリサイクル可能な資源が有機的に活用されるよう働きかけると共に「リサイクルシステム構築」に関する事業を行い、環境の保全、人材の育成・参画などをもって、持続可能な地域の構築と継続を目指すことを目的として活動しています。福祉作業所・ニートひきこもり支援団体の仕事作りのネットワークを活用することで、リサイクル活動による社会的就労の場の提供を行っています。なお、リサイクルロンドぎふの「ロンド」は輪になって踊る舞踏のことで、「リサイクルの輪が完結するように」という思いを込めて命名されました。
2. 回収の背景と経緯
アルミなし紙パックの回収・リサイクルは既に根付いていましたが、アルミ付き紙パックもリサイクルできるのではないか、可能であれば資源として有効活用したいという市民の思いがあった中で、NPO法人集めて使うリサイクル協会( http://www.r-kyokai.org/ )からの働きかけもあり、2013年から生活協同組合コープぎふの紙パックをアルミ付き、アルミなしの混合(以下「紙パック」といいます)で回収するようになりました。
3. 取り組み概要
3.1. 紙パックの回収と製紙メーカーへの引き渡し
リサイクルロンドぎふで回収している紙パックの大半はコープぎふから回収しています。ほかに、近隣の学校や飲料メーカーからも少量ですが回収しています。回収した紙パックのほとんどは、製紙メーカーでリサイクルされ、再生したトイレットペーパーを福祉作業所などに販売しています。
3.2. 手漉きなどによる紙製品の作成
回収した紙パックのうちのごく一部ですが、リサイクルロンドぎふにおいて手漉きにより、はがき、一筆箋、封筒、あぶらとり紙などの紙製品としてリサイクルされます。作成した紙製品は企業のノベルティ・グッズとしても提供されており、使用した企業にとっても社会貢献をしていることがアピールできます。リサイクルロンドぎふにとっても障がい者などの社会的弱者に就労の場を提供するばかりでなく収入源にもなり、関係者にとってウィンウィンの取り組みとなっています。
なお、リサイクルロンドぎふにおいて手作業で剥がしたアルミ付きポリかすは、紙パックと一緒に製紙メーカーに引き渡します。
4. 回収・リサイクル実施の現状と今後の課題
4.1. 回収・リサイクルの現状
回収された紙パックはコープぎふからの回収が大半であることもあり、「洗って開いて乾かして」のマナーが守られています。また、アルミ付きもアルミなしも一緒に回収ができることで消費者は迷うことなく紙パックとして資源回収に出すことができるようになりました。
4.2. 今後の課題
現在はコープぎふのほか、近隣の学校や飲料メーカーの工場からしか紙パックを回収していないため、回収できずに燃えるごみとして処分されている紙パックは少なくないと思われます。さらなる資源有効活用のためには回収拠点を増やしていく必要があり、その候補としてコンビニやドラッグストアなどが考えられます。消費者にはリサイクルの仕組みを理解した上で協力していただきたいし、消費者はきちんとリサイクルしてくれると信頼できるようなところに出したいと考えていると思われます。また、飲料メーカーの工場から飲料充填前の工場損紙を資源回収していますが、飲料充填後の紙パックをどのように処理するかも今後の課題の一つです。
5. アルミ付き紙パックのリサイクルを拡大していくために必要なこと
飲料メーカーや容器メーカー、消費者、リサイクルに携わっている人々のネットワークを構築し、情報共有や意見交換を双方向で行うことが必要であると思われます。ノベルティ・グッズ作成においては、回収・リサイクルに関する説明(就労支援として行っていることを含めて)や、リサイクルに関連している企業(飲料メーカー、容器メーカー、製紙メーカー、小売店など)の広告なども入れることにより、リサイクルに関連している企業の意欲や取り組みの認知度向上につなげていきたいと考えています。
6. その他、環境問題に関する今後の取り組みなど
リサイクルロンドぎふでは、段ボールコンポストにも取り組んでいます。段ボールコンポストは、段ボールを利用した生ごみ堆肥化容器で、これを利用することにより、家庭から出る生ごみの減量・資源化を行うことができ、岐阜市でもその普及を進めています。堆肥化に必要な基材の開発、夏場の虫や悪臭の発生などへの対策を大学と連携して研究しています。段ボールコンポストでできた肥料は、各家庭のベランダなどで野菜を作るときに活用することができ、できた野菜を媒体で紹介することなどによって、さらに普及させることを期待しています。
● 取材日時:2018年3月20日(火)
● 取材先:特定非営利活動法人リサイクルロンドぎふ
リサイクルロンドぎふのウェブサイト https://ja-jp.facebook.com/recycly.rondo/
※ アルミ付き紙パックはリサイクルすることが可能で、実際にトイレットペーパーなどに生まれ変わっています。消費者の皆様がご家庭で使用したアルミ付き紙パックの一部も回収・リサイクルされています。アルミ付き紙パックをどこで回収しているのかをお知りになりたい方は、下記サイトをご参照ください。
アルミ付き紙容器の回収拠点検索(外部サイトに移動します)
https://www.bellmark-schoolmilk.jp/alupa/recycle/search.html