回収・リサイクル事例 小平市(東京都)
LL紙パックリサイクル推進研究会では、アルミ付き紙パックの回収・リサイクル事例を紹介しております。このレポートの詳細版は、会員専用ページでご覧いただくことができます(閲覧にはIDとパスワードが必要となります)。
1.小平市の概要
小平市は東京都多摩地域にある市で、都心から26kmのところに位置しています。住民基本台帳における平成29年1月1日現在の人口は189,885人です。
2.回収の背景と経緯
小平市における資源物の分別収集は1989年にモデル地区で行われたのが最初で、その後、1993年に市内全域で資源物(古紙や古布、びん、缶)の分別収集を開始しました。牛乳パックの回収は市民団体と協力して回収・リサイクルが始まりました。
家庭から排出されるごみや資源物をより安全かつ適正に回収、処理できるようにするため、2014年度に資源物の対象品目を広げた際に、アルミ付き紙パックも回収できるようになりました。
3.取り組み概要
(1) 紙パックの拠点回収(アルミ付き、アルミなしの混合回収)
小平市では、市の資源物回収品目の一つとして、アルミ付き紙パックを市の公共施設、コンビニエンスストアなど51か所で拠点回収を行い、2015年度の回収量は約10トンとなっています。このうち、約2トンは福祉施設などの利用者が公民館など10か所から回収を行い、手すきはがきの材料として利用されています。
(2) 市民に対する広報
アルミ付き紙パックは、既設の回収ボックスで回収しているので、市民に周知するため、回収ボックスに、アルミ付きも回収対象となった旨の表示を行いました。
2014年11月から区分の変更を行ったので、3か月ほど前からリーフレットを全戸に配布、市報の「ごみ・資源特集号」を新聞折り込みとして配布したほか、市のホームページにも記事を掲載しています。
また、ごみや資源物の実物やイラストを用いた分別見本のパネルを作成し、市役所内に展示して啓発しています。
(3) 拠点回収以外による回収・リサイクル
自治会や子供会などの自主的な取り組みである集団回収で約9トンの紙パックが回収されており、その回収量に応じて市が補助金を交付しています。また、2003年から一部の酒店で専用の回収ボックスを設置し、アルミ付き酒パックを回収しています。
4.回収・リサイクル実施の現状と今後の課題
紙パック全般の回収に関しては、「洗って開いて乾かして」のマナーを守ったきれいなものが回収されています。市の拠点回収、集団回収以外にもアルミ付き紙パックの店頭回収を実施している店舗が複数あり、多くの市民が積極的にリサイクルに取り組んでいることがうかがえます。
ただ、アルミ付き紙パックの排出方法について今でも市民からの問い合わせがあり、市民が迷わず正確に分別できるよう、さらなる周知が必要であると思われます。
また、現在は500ml未満の小さな紙パックはアルミの有無に関係なく回収の対象外で、燃えるごみとして処理されていますが、将来的には回収することについて検討の余地があります。ただ、市民に混乱を招かせないように、実施時期や広報の方法なども合わせて考える必要があります。
5.アルミ付き紙パックのリサイクルを拡大していくために必要なこと
小平市のようにアルミ付きとアルミなしの混合回収を行えるルートを確保することができれば、既存の紙パック回収拠点をそのまま活用できるため、他の自治体でも比較的円滑にアルミ付き紙パックの回収・リサイクルを実施することができると思われます。
飲み終わった紙パックの処理にあまり負担がかからず・分類しやすい容器、リサイクルに関する分かりやすい表示があると、よりいっそう、リサイクルが進むのではないかと考えられます。
● 取材日時:2017年1月25日(水)
● 取材先:小平市環境部資源循環課
小平市のウェブサイト http://www.city.kodaira.tokyo.jp/
※ アルミ付き紙パックはリサイクルすることが可能で、実際にトイレットペーパーなどに生まれ変わっています。消費者の皆様がご家庭で使用したアルミ付き紙パックの一部も回収・リサイクルされています。アルミ付き紙パックをどこで回収しているのかをお知りになりたい方は、下記サイトをご参照ください。
アルミ付き紙容器の回収拠点検索(外部サイトに移動します)
https://www.bellmark-schoolmilk.jp/alupa/recycle/search.html