LL紙パックリサイクル推進研究会

回収・リサイクル事例 東都生活協同組合

LL紙パックリサイクル推進研究会では、アルミ付き紙パックの回収・リサイクル事例を紹介しております。このレポートの詳細版は、会員専用ページでご覧いただくことができます(閲覧にはIDとパスワードが必要となります)。

 

1. 東都生活協同組合の概要
東都生活協同組合(以下「東都生協」という)は、1973年に設立された生活協同組合で、基本理念として、「産直」「協同」「民主」-いのちとくらしを守るために-を掲げています。
2019年3月現在の組合員数は247,031人、2018年度の総供給高は314億6,263万円でした。東都生協の特徴として商品の販売店舗を持たずに、東京都内全域のほか、埼玉県、千葉県、神奈川県の一部地域への商品の宅配事業等を行っていることが挙げられます。

 

2.環境に関する取り組み全般
地球温暖化防止の取り組みとして、冷凍冷蔵庫の設備更新、LED照明の導入、各事業所での節電対策、配送時の車両燃料の使用量削減(供給コース効率化、小型トラック導入、エコドライブ運動推進)などが挙げられます。原子力に依存しない再生可能エネルギーへの転換を図るための活動として、東京都国立市にある国立センターの屋上に太陽光パネルを設置し、同センターで使用される電力の約14%を賄っています。
3R活動の取り組みのうちリユース・リサイクル活動では、以下のものを回収しています。牛乳のほか、しょうゆやみりん、酢などのびんは、1994年に社会福祉法人きょうされんとの共同事業として設立した東京都昭島市にあるリサイクル洗びんセンターで洗びんすることによりリユースしています。トマト箱・フルーツセット箱は回収してリユースします。商品のお届けに使用しているポリ袋は袋類の再生原料として、卵パックはプラスチック製のものも紙製のものも卵パックの再生原料として、商品案内及びチラシ類は再生紙の原料として回収します。
そのほか、環境管理報告書の作成、環境フェアや商工まつりなどのイベントへの出展などにより、組合員のみならず多くの一般の方に向けても、環境に関する取り組みを発信しています。

 

アルミなしのみでなくアルミ付きも回収

アルミなしのみでなくアルミ付きも回収

3. 紙パックの回収・リサイクルについて
3.1. 背景と経緯
牛乳びんについては、「天然牛乳を安く飲む会」が実施していた180mlびんのリユース活動を継承し、東都生協設立当初からリユースが行われていました。家庭から排出されるごみの減量化を目的として1985年に牛乳パックのリサイクルについての検討を開始し、1986年4月の試験回収を経て、同年7月に牛乳パックのリサイクル推進運動が決定され、本格回収が開始されました。
再資源化の技術の進展によりアルミ付紙パックも再生紙メーカーでトイレットペーパーなどにリサイクルすることが可能になってきたことを古紙回収業者から紹介され、2008年から東都生協でもアルミ付き紙パックの回収を行うようになりました。アルミなしとアルミ付きを別々に回収するのではなく、一緒に回収しています。

 

配送センターにストックされた紙パック

配送センターにストックされた紙パック

3.2. 回収・リサイクルの流れ
組合員への商品お届けの際、使用済みの紙パックを回収します。500ml未満の小さいサイズの紙パックやカート缶、東都生協以外で購入したものも回収の対象です。回収された紙パックは再生紙メーカーでティシュペーパーやトイレットペーパーなどにリサイクルされ、東都生協で販売されています。そうしたものの中には、東都生協と製紙メーカー、千葉県の酪農農業協同組合で共同開発した「もーもー商品」があり、売上の一部が千葉県の酪農家支援のために寄付され、安全・安心なNon-GMO(遺伝子組換えでない)の飼料購入代金などに役立てられています。

 

 

もーもー商品  左:東都もーもーティシュ  右:東都もーもーロール

もーもー商品
 左:東都もーもーティシュ
 右:東都もーもーロール

3.3. 回収・リサイクルの現状と今後の課題
「洗って開いて乾かして」はよく守られており、回収したものの中に紙パック以外の異物が混入していることはほとんどありません。「牛乳」パックを回収していることはよく周知されていますが、牛乳以外のもの、お酒やジュースなどの紙パックやアルミ付紙パックを回収していることが認知されていないようです。紙パックの回収量は減少の傾向にありますが、その要因として、供給本数が減少していることや回収方法が多様化していることなどが考えられます。今後は牛乳以外の紙パックやアルミ付紙パックの写真を掲載し具体的に示し啓発するなど、組合員への伝え方を工夫する必要があると思われます。

 

 

3.4. アルミ付きパックのリサイクルを拡大していくために必要なこと、要望など
広報などを地道に行うことによってアルミ付紙パックを回収しリサイクルしていることを伝えることが必要です。そのため、組合員向け情報誌やチラシ等に記載するほか、環境イベントに出展する際、回収ボックスと紙パックカッターを用意し、来場者にリサイクルの実体験をしていただく取り組みも継続したいと思います。また、スーパーマーケットをはじめとして、回収リサイクル事例が共有できるとよいでしょう。

 

● 取材日時:2019年5月14日(火)
● 取材先:東都生活協同組合 組織運営部

 

東都生活協同組合のウェブサイト https://www.tohto-coop.or.jp/

 

※ アルミ付き紙パックはリサイクルすることが可能で、実際にトイレットペーパーなどに生まれ変わっています。消費者の皆様がご家庭で使用したアルミ付き紙パックの一部も回収・リサイクルされています。アルミ付き紙パックをどこで回収しているのかをお知りになりたい方は、下記サイトをご参照ください。

アルミ付き紙容器の回収拠点検索(外部サイトに移動します)
https://www.bellmark-schoolmilk.jp/alupa/recycle/search.html

 

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